仕舞っておくだけじゃつまらない。家族のあの瞬間をアクリルアートに。
思い出の詰まったもの・大切なものほど押し入れに眠ったままになりがちですよね。例えば、お子さんが小さい時に気に入っていたオモチャや初めて身につけた衣類など。
時々、押し入れから出してきて眺めるだけじゃもったいない。いつでも家族のそばに置けて話題の中心になるような、アクリルを使った新しい思い出の残し方があります。
まるでふわっと宙に浮いているかのような不思議なサッカーシューズ。実はアクリルの中に閉じ込めているんです。
「有限会社ひょうどう工芸」の俵藤ひでとさんは、大切な思い出の品をアクリルへと閉じ込める作品をひとつひとつオーダーメイドで作っています。
ふわっと宙に浮いているかのよう
思い出の品って誰にでもありますよね
こちらのサッカーシューズは、とあるご家族の大切なもの。
サッカーが大好きな息子さんが小学2年生の時に初めて履いたシューズなんだそう。
まだ子ども用の運動靴で満足していた息子さんに、おしゃれ番長のお父様がかっこいいデザインのシューズを買ってあげたいと原宿まで足を運び、スポーツショップで購入した思い入れのある一足。今では息子さんも大きくなりこのシューズのかっこよさにも気がついたようです。
思い出のサッカーシューズ。サイズ感がたまらなくかわいい
思い出が詰まっているから捨てることもできず、ずっと大切に保管しておいたけれど、結局は押し入れの中で眠ったままに。
もっと素敵な形で残しておきたいとの思いから俵藤さんに相談したのがきっかけで生まれたのがこの作品なんだとか。
もちろん全面透明だから好きな角度を見つけてみたり
作品ができあがった時の感動もひとしおだったようで、ご家族で「おおー!」と声が出たそう。なんたってオーダーメイドで一点ものですから特別感が違いますよね。
角度や光によって見え方も変わるので見ていて飽きない作品。いろんな角度から眺めたり部屋のいろんな場所に置いて光の入り具合を楽しんだり。押し入れに眠っていた時にはなかった思い出との関わり方が作品にしたことによって生まれていました。
月日がたってもこの作品を囲んで盛り上がったり、思い出話ができるってとても素敵です。
俵藤さんとご家族で相談を重ね、約1ヶ月ほどで完成したサッカーシューズ作品。
アクリルの形は正方形にしようか、シューズサイズに合わせた長方形にしようか。2足アクリルに入れるか、それとも1足か。1足であれば、利き足の右のシューズを入れてみようか、シューズは真っ直ぐ平らに閉じ込めるか、つま先を上に向けて動きをつけても面白い。
反射で多方面からシューズが映り込む
シューズのサイズは17cm、作品自体のサイズは幅250mm 奥行き150mm 高さ150mmに(重さは約6kgで25万円ほど)。アクリルに余白を持たせることで、空中に浮いているような見え方を強めることができます。逆に余白を少なくすることも可能。
こんな相談を実物を見ながら細かく調整を行い、これだ! というデザインを決めていきます。
自分が履いていたものが作品になって驚きと嬉しさがあったと言う息子さん
ただ、アクリル作品にするためには少し注意が必要な点も。アクリルを流し込み、圧力をかけて固めていく過程で、閉じ込めた物の形が変わったり色が浮きだしたり、という可能性があります。それでも不安要素をできる限り減らし、元の形や色を保ったまま作品にできるよう、緻密な計画が行われてこの作品は完成していきます。
アクリル素材は劣化しないので何年経っても透明できれいなままです。アクリルの表面に傷がついたとしても大丈夫、削ればツルツルピカピカに元どおり。
置く場所や光の入り方によって煌めきが変わる
今回の作品も、アクリルに閉じ込めずにお子さんのシューズを空気に触れたまま保管していたら、時間の経過とともに素材の経年劣化が進んでしまうので、「時間を止める」ことができる新しい保管方法でもあります。
想いのこもったサッカーシューズがアート作品になって、家に飾ることもでき、そして親から子への心に残る贈り物となりました。自分に関わる物を親が大事に想っていてくれて、それを「新しいカタチ」として残してくれたらどんなに嬉しいことでしょう。
家族みんなで大切にできるアート作品
自宅や実家に大切に保管してある思い出の品ってありますよね。
「思い出の品」をアクリルに閉じ込めて、記念の品として手元に残したり大切な誰かに贈ったりと、「物」だけではなく「その時の想い」も一緒に閉じ込められるのが、この作品のすてきなところ。
どんな思い出の品をアート作品にするか、どんな想いを残していくか、ぜひご相談ください。